2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『夏草の匂い』など

・高橋昌男の『夏草の匂い』の一部が教材になっていて、問題文の末尾=作品の終わりなのか続きが気になる、というので見ておこうと思ってそのままになっていたのだが、実家から講談社文芸文庫の『戦後短篇小説再発見』を持って帰ろうとしたらそのうちの1巻に…

伊豆のうどん粉 vs 伊豆のロドリコ

いしいひさいちの「ドーナツブックス」のサブタイトルの文芸作品のパロディはどれもいいが、最近「さよなら絶望先生」に「絶望文学集」という30作品分ほどのパロディがあるのを知った。 ドーナツブックス http://www.dajare.com/syakai/20010630.html 絶望文…

『輝ける闇』から

・開高健の『輝ける闇』に「文章は形容詞から腐る」というような言葉があって、学部2年の冬ごろ家にあったのをはじめて読んでから大分経って思い出し、どこにどう書いてあったか探そうと思っていたのだが、なんとなくそのままにしていた。最近また思い出す機…

『リツ子・その死』から

『リツ子・その死』の最後の場面に、次のような用例(最後の文)があった。明快な説明には困るが、いい用例だなと思う。作家の腕の見せ所であり、こういうものこそ「解釈」したくなる。 「ねえ、チチ。タロ、ポンポン大すき」 と今度云う。 「そうか、おにぎ…

『あしたのジョーは死んだのか』など

・小学館の昭和文学全集別冊の年表を見ていたら、1978年7月の欄に「あしたのジョーは死んだのか」(朝稲日出夫、文芸展望)があって、単行本を震災前に父親の本棚(か、震災後の名塩の物置)で見かけたのを思い出した。表紙はジョーが椅子に座って真白になっ…