旧制神戸一中の校歌の歌詞

何の(誰の)役に立つとも知れませんが、個人的に気になっていた旧制神戸一中の校歌、web上で探しても確実なものが見つからないので、「SONGS TO REMEMBER」に従って文字に起こしておきます。「自重自治」「質素剛健」「鵬雛」といった言葉が織り込まれていたりして、ふと創立記念日に歌った記憶がよみがえる曲です。個人的には四番の歌詞が好きです。

 

<一校歌>(作詞:鎌田春雄)

一.
群巒色は紫に 金波さ揺らぐ茅渟の浦
東大野を瞳々と 朝日子昇る曙や
希望の光輝ける わが世の春に似たるかな

二.
天の霊火を地に呼ぶと 意気の子胸の高鳴りや
自重と自治の旗しるく 𠮟咤呼号の五十年
ああ微笑みの誇らひの 歴史の跡ぞ勇ましき

三.
一たび搏たば九万里 世は神霊の気に充ちて
汚濁の風は収らむ 右文尚武たゆみなき
鵬雛ここに千百が 見よ羽ばたきの雄々しさを
四.
学海浪は荒くとも 人生崎嶇は多くとも
質素剛健ひとすぢに 至誠の道にいそしまば
行手不断の花薫り 久遠に絶えぬ名は有らむ

五.
東亜開けて四千歳 人文日々に新しく
理想の影は清くして 雄図やわれに待つ如し
ああ覚醒の声高く 起て神の健男児 

 

一.
ぐんらん いろは むらさきに きんぱ さゆらぐ ちぬのうら

ひがしおおのを どうどうと あさひこ のぼる あけぼのや

きぼうの ひかり かがやける わがよの はるににたるかな

二.

てんの れいかを ちに よぶと いきのこ むねの たかなりや

じちょうと じちの はた しるく しったこごうの ごじゅうねん

ああ ほほえみの ほこらひの れきしの あとぞ いさましき

三.

ひとたび うたば きゅうまんり よは しんれいの きに みちて

おじょくの かぜは おさまらむ ゆうぶんしょうぶ たゆみなき

ほうすう ここに せんびゃくが みよ はばたきの おおしさを

四.

がっかい なみは あらくとも じんせいきくは おおくとも

しっそごうけん ひとすじに しせいの みちに いそしまば

ゆくて ふだんの はな かおり くおんに たえぬ なはあらむ

五.

とうあ ひらけて しせんさい じんぶん ひびに あたらしく

りそうの かげは きよくして ゆうとや われに まつごとし

ああ かくせいの こえ たかく たて じんちゅうの けんだんじ